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類否判断審決(称呼において近似するとしても、全体として非類似) [商標実務(TM practices in JP)]

不服2007-31582号
(審決抜粋)

・・・・

3 当審の判断

 本願商標は、別掲(1)のとおり、「Rikka」の文字を橙色でややデザイン化して表してなり、「R」の文字を大きくし、「i」の文字部分の上部には、茶色の椰子の木の実と緑色の葉を配し、「a」の文字部分の中空部には、大小5枚の白色の花びらを配してなるものである。

 しかして、本願商標は、たとえ、「i」及び「a」の文字部分に図形があるとしても、全体としては、「Rikka」の文字をベースにデザイン化されたものとして、まとまりよく一体的に表されているとみるのが自然であり、その構成文字の「Rikka」に相応して「リッカ」の称呼が生じ、また、観念については、本願商標から、請求人主張のように、沖縄の方言で「さあ。では。誘いかけの語。」を意味するものとして、この意味が直ちに想起できるものとはいえず、それ以上に明確な特定の観念が生ずるものとはいえないものである。

 他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「RICCAR」の欧文字と「リッカー」の文字を2段に書してなるところ、その構成文字に相応して、「リッカー」の称呼が生じ、また、該文字部分は、特別の意味を有しない造語であって特定の観念を生じないものである。

 そこで、本願商標と引用商標を比較するに、両者は、長音「ー」の有無に差異を有するものの、外観上、著しく相違するものであり、本願商標の特徴のある形状に接した需要者は、特徴のある椰子の木の形状をした図形付きの「Rikka」として記憶にとどめるものとするのが相当であって、文字構成のみからなる引用商標とは、明らかに区別し得る差異を有するものである。

 また、両者は、特定の意味合いを有しない造語であるから、観念上も比較することができない。

 してみれば、称呼、観念及び外観を総合して全体的に考察した場合、たとえ称呼において近似するとしても、観念においては比較することができないものであり、かつ、外観においては顕著な差異を有することから、両商標を同一又は類似の役務に使用しても、その出所について誤認混同を生ずるおそれはないものというのが相当であり、本願商標は、引用商標に類似する商標とは認められない。

 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。
 その他、政令で定める期間内に、本願について拒絶の理由を発見しない。

本願商標.JPG

引用商標
引用商標.JPG

椿特許事務所
弁理士TY

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