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類否判断判決(称呼において同一でも、全体・取引実情から非類似)  [商標実務(TM practices in JP)]

平成一一年(ネ)第四五七一号損害賠償請求控訴事件
(原審・東京地方裁判所平成一〇年(ワ)第二六六三八号)

Cutie-Qt.JPG

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1 被控訴人標章が本件登録商標と類似するか否かは、商標の機能に照らして、被控訴人標章と本件登録商標とが同一又は類似の商品に使用された場合に、その商品の出所につき誤認混同を来たすおそれがあるかどうかによって決せられるべきものであり、その際、右のような商品に使用された被控訴人標章と本件登録商標とが、その外観、観念、称呼等によって取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すべく、かつ、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的取引状況に基づいて判断すべきものである。

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3 しかして、右認定に係る本件登録商標及び被控訴人標章の外観、観念、称呼によれば、両者の称呼は同一であるものの、本件登録商標が「Cutie」とのさほど特徴があるといえない欧文字からなるのに対し、被控訴人標章は、部分的に奇抜な形状を用いたり、水玉模様や縞模様による装飾を施したりした図形の印象を与えるものであり、たとえこれを図案化した文字からなると見るとしても、その文字は「Q」と「t」であるから、両者は外観において著しく相違するものと認められ、さらに、本件登録商標から「かわいい娘(女の子)」との観念が生じることもあるのに対し、被控訴人商標からは特定の観念が生じないものであって、これらの外観、観念、称呼に基づく印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考慮し、さらに、前示被控訴人商品に係る取引及び広告の実情をも併せ考えると、被控訴人標章及び本件登録商標が、同一又は類似の商品に使用されたとしても、取引者・需要者が、商品の出所につき誤認混同を来たすおそれはないものと認められる。

 したがって、被控訴人標章が本件登録商標と類似するものであると認めることはできない。

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椿特許事務所
弁理士TY
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