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米国出願明細書作成上の注意点とよく見かけるミス&仮出願の出し方・留意点 [米国特許制度研究(US practices)]

「米国出願明細書作成上の注意点とよく見かけるミス&仮出願の出し方・留意点」に出席して

筆者が以前委員会などで大変にお世話になった弁理士K先生が会長を務められている、日本弁理士会滋賀地区会の標記勉強会に出席してきました(場所は、滋賀県草津市でした)。勉強会では、米国ワシントンDCで約20年間特許事務所を経営されている、パテントエージェントのM先生、S先生から、「品質・コストの改善を図るための米国のプラクティスに沿った出願明細書作成のコツ」、および仮出願制度の利用について、ご説明頂きました。

講義では、米国人の明細書作成のスタイル、米国審査官の考え方、日本と異なる米国独特の審査実務、明細書翻訳上の問題点、仮出願の戦略的な利用法など、短時間にたくさんのことをお話し頂きました。

米国は魅力的な市場であり、また、知的財産保護の政策が国力の発展・維持に非常に大きな貢献をしている国でもあります(日本もそれに倣おうと、数々の政策が行われました。例えば、「知的財産戦略本部」の設置など。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/index.html)。

世界の各企業が米国市場での競争力の強化を狙っており、日本企業と米国企業との間で数々の特許紛争が生じているのみならず、米国国内において、日本企業とアジア諸国の企業との間で、また、日本企業と日本企業との間で、特許の戦略的な駆け引きが続いています。

特許は、出願から20年という長い権利期間を有しています。競争がさらに激化することが予測される将来の米国市場の中で、現在の自社や競業他社の特許出願の内容が、将来の業界の勢力図に与える影響は小さなものではないと思われます。

そんな中、現在の米国特許出願において、

(1)取得する米国特許自体のクオリティを上げる(可能な限り広範囲な権利を取得する、容易に無効とならない権利とする、侵害の主張・立証が容易な権利とする、何人が見ても容易に理解できる権利とする)こと、および

(2)特許取得までの実務自体のクオリティを上げる(コミュニケーション力を向上させる(議論の齟齬をなくす)ことでOffice Actionの発生率を下げる、業務の品質を上げることによって特許査定率を上げ、また、権利取得までの所要時間を短くし、関与する人間全員の作業時間を減らし、コスト減を図る)こと、

は、各企業において重要であり、その双方を追求しているかしていないかによって、企業の20年後の将来は大きく変わっているものと思います。(日本の弁理士である私としては、米国を含めた世界の市場で日本の企業がリーダーシップを発揮できるべく知財実務を行うことが、一番やりがいのある仕事です。)


椿特許事務所
弁理士TY
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