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侵害訴訟で(明細書が主な原因として)特許権者が敗訴する類型 [国内法・国内判例など(JP:特許)]

侵害訴訟で(明細書が主な原因として)特許権者が敗訴する類型
(日本・外国共通)

セミナーでの話題のため、特許侵害訴訟の過去の判例(日本・外国)を見直し、「特許明細書」が敗訴の原因とされたものを類型化してみました(日本・外国共通)。
中間処理での禁反言、IDSの提出ミス、不誠実な行為など、明細書以外に原因があるものを除きます。

類型(1)~(3)が敗訴の原因となることが多いものと思います。類型(1)~(3)に関しては、よい明細書作成の基本中の基本でもあると思います。

[類型]

(1)発明の上位概念化(発明思想の根本を捉える作業)の不足(→侵害論で文言非侵害)

(2)クレーム中に不要な記載がある(→侵害論に影響)

(3)クレームを上位概念化しているが、広さをサポートする実施例が不足(機能手段クレームなど。→侵害論でのクレーム限定解釈、無効論での記載不備、先行技術によって容易に無効に(訂正不可能))

(4)侵害立証が困難(→侵害論に影響)

(5)クレームの記載が不明瞭・誤記がある(→侵害論でのクレーム限定解釈、無効論での記載不備に)

(6)他のカテゴリのクレーム(プログラムなど)、部品クレームなどが不足(→侵害論で文言非侵害、間接侵害非成立)

(7)未来の技術革新への考慮不足(→侵害論に影響)

(8)実施例(目的、クレーム構成要素の説明、効果)中に、クレーム文言を狭める記載がある


なお一般に、特許に関する争いが裁判の判決によって決着されることは少なく、判例は、数多い特許紛争の中の氷山の一角にすぎません。この点を見失って、判例に振り回されるのもよくないと思います。

椿特許事務所
弁理士TY
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