書籍「共同体商標と共同体意匠の実務」 [商標実務(TM practices in JP)]
遅ればせながら、書籍「共同体商標と共同体意匠の実務 ヨーロッパにおけるブランドとデザインの保護」(発明協会発行)を購入しました。
著者は、2006年にイギリスのリバプールにて実務研修を行われた関西在住のM先生。共同体商標と共同体意匠の実務が、豊富な審判決例とともに、掘り下げて解説されています。
まえがきに、「意匠や商標は(特許等の自然科学を対象とするものとは異なり)、社会科学であり、識別力や類比判断については国や地域や文化などの影響を受けるため、審判決を理解するためには、ヨーロッパの現地に住み、文化を学ばなければならない」、とのM先生の熱い言葉が書かれています。
書籍では、M先生撮影のヨーロッパでの街角の写真も各所に掲載されており、それを見るのもまた楽しいものです。幸運なことに私も、M先生とは個人的に親しくさせて頂いておりますが、頭脳明晰な上に、話が面白く、同業者にこのようないい人がいてよかったなあと思わせる人です(そういえば、このブログでも何回か登場されたような)。
知財実務家の努力によって、日本発のブランド(商標)やデザインがヨーロッパでうまく(上手な形で)権利化され、それがヨーロッパの人に愛され広く深く受け入れられることで、日本とヨーロッパの関係がより近くなるといいなと思っています。
椿特許事務所
弁理士TY
類否判断判決(称呼において同一でも、全体・取引実情から非類似) [商標実務(TM practices in JP)]
平成一一年(ネ)第四五七一号損害賠償請求控訴事件
(原審・東京地方裁判所平成一〇年(ワ)第二六六三八号)
・・・
1 被控訴人標章が本件登録商標と類似するか否かは、商標の機能に照らして、被控訴人標章と本件登録商標とが同一又は類似の商品に使用された場合に、その商品の出所につき誤認混同を来たすおそれがあるかどうかによって決せられるべきものであり、その際、右のような商品に使用された被控訴人標章と本件登録商標とが、その外観、観念、称呼等によって取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すべく、かつ、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的取引状況に基づいて判断すべきものである。
・・・
3 しかして、右認定に係る本件登録商標及び被控訴人標章の外観、観念、称呼によれば、両者の称呼は同一であるものの、本件登録商標が「Cutie」とのさほど特徴があるといえない欧文字からなるのに対し、被控訴人標章は、部分的に奇抜な形状を用いたり、水玉模様や縞模様による装飾を施したりした図形の印象を与えるものであり、たとえこれを図案化した文字からなると見るとしても、その文字は「Q」と「t」であるから、両者は外観において著しく相違するものと認められ、さらに、本件登録商標から「かわいい娘(女の子)」との観念が生じることもあるのに対し、被控訴人商標からは特定の観念が生じないものであって、これらの外観、観念、称呼に基づく印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考慮し、さらに、前示被控訴人商品に係る取引及び広告の実情をも併せ考えると、被控訴人標章及び本件登録商標が、同一又は類似の商品に使用されたとしても、取引者・需要者が、商品の出所につき誤認混同を来たすおそれはないものと認められる。
したがって、被控訴人標章が本件登録商標と類似するものであると認めることはできない。
・・・
椿特許事務所
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(原審・東京地方裁判所平成一〇年(ワ)第二六六三八号)
・・・
1 被控訴人標章が本件登録商標と類似するか否かは、商標の機能に照らして、被控訴人標章と本件登録商標とが同一又は類似の商品に使用された場合に、その商品の出所につき誤認混同を来たすおそれがあるかどうかによって決せられるべきものであり、その際、右のような商品に使用された被控訴人標章と本件登録商標とが、その外観、観念、称呼等によって取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すべく、かつ、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的取引状況に基づいて判断すべきものである。
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3 しかして、右認定に係る本件登録商標及び被控訴人標章の外観、観念、称呼によれば、両者の称呼は同一であるものの、本件登録商標が「Cutie」とのさほど特徴があるといえない欧文字からなるのに対し、被控訴人標章は、部分的に奇抜な形状を用いたり、水玉模様や縞模様による装飾を施したりした図形の印象を与えるものであり、たとえこれを図案化した文字からなると見るとしても、その文字は「Q」と「t」であるから、両者は外観において著しく相違するものと認められ、さらに、本件登録商標から「かわいい娘(女の子)」との観念が生じることもあるのに対し、被控訴人商標からは特定の観念が生じないものであって、これらの外観、観念、称呼に基づく印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考慮し、さらに、前示被控訴人商品に係る取引及び広告の実情をも併せ考えると、被控訴人標章及び本件登録商標が、同一又は類似の商品に使用されたとしても、取引者・需要者が、商品の出所につき誤認混同を来たすおそれはないものと認められる。
したがって、被控訴人標章が本件登録商標と類似するものであると認めることはできない。
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類否判断審決(称呼において近似するとしても、全体として非類似) [商標実務(TM practices in JP)]
不服2007-31582号
(審決抜粋)
・・・・
3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、「Rikka」の文字を橙色でややデザイン化して表してなり、「R」の文字を大きくし、「i」の文字部分の上部には、茶色の椰子の木の実と緑色の葉を配し、「a」の文字部分の中空部には、大小5枚の白色の花びらを配してなるものである。
しかして、本願商標は、たとえ、「i」及び「a」の文字部分に図形があるとしても、全体としては、「Rikka」の文字をベースにデザイン化されたものとして、まとまりよく一体的に表されているとみるのが自然であり、その構成文字の「Rikka」に相応して「リッカ」の称呼が生じ、また、観念については、本願商標から、請求人主張のように、沖縄の方言で「さあ。では。誘いかけの語。」を意味するものとして、この意味が直ちに想起できるものとはいえず、それ以上に明確な特定の観念が生ずるものとはいえないものである。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「RICCAR」の欧文字と「リッカー」の文字を2段に書してなるところ、その構成文字に相応して、「リッカー」の称呼が生じ、また、該文字部分は、特別の意味を有しない造語であって特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標を比較するに、両者は、長音「ー」の有無に差異を有するものの、外観上、著しく相違するものであり、本願商標の特徴のある形状に接した需要者は、特徴のある椰子の木の形状をした図形付きの「Rikka」として記憶にとどめるものとするのが相当であって、文字構成のみからなる引用商標とは、明らかに区別し得る差異を有するものである。
また、両者は、特定の意味合いを有しない造語であるから、観念上も比較することができない。
してみれば、称呼、観念及び外観を総合して全体的に考察した場合、たとえ称呼において近似するとしても、観念においては比較することができないものであり、かつ、外観においては顕著な差異を有することから、両商標を同一又は類似の役務に使用しても、その出所について誤認混同を生ずるおそれはないものというのが相当であり、本願商標は、引用商標に類似する商標とは認められない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に、本願について拒絶の理由を発見しない。
引用商標
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(審決抜粋)
・・・・
3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、「Rikka」の文字を橙色でややデザイン化して表してなり、「R」の文字を大きくし、「i」の文字部分の上部には、茶色の椰子の木の実と緑色の葉を配し、「a」の文字部分の中空部には、大小5枚の白色の花びらを配してなるものである。
しかして、本願商標は、たとえ、「i」及び「a」の文字部分に図形があるとしても、全体としては、「Rikka」の文字をベースにデザイン化されたものとして、まとまりよく一体的に表されているとみるのが自然であり、その構成文字の「Rikka」に相応して「リッカ」の称呼が生じ、また、観念については、本願商標から、請求人主張のように、沖縄の方言で「さあ。では。誘いかけの語。」を意味するものとして、この意味が直ちに想起できるものとはいえず、それ以上に明確な特定の観念が生ずるものとはいえないものである。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「RICCAR」の欧文字と「リッカー」の文字を2段に書してなるところ、その構成文字に相応して、「リッカー」の称呼が生じ、また、該文字部分は、特別の意味を有しない造語であって特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標を比較するに、両者は、長音「ー」の有無に差異を有するものの、外観上、著しく相違するものであり、本願商標の特徴のある形状に接した需要者は、特徴のある椰子の木の形状をした図形付きの「Rikka」として記憶にとどめるものとするのが相当であって、文字構成のみからなる引用商標とは、明らかに区別し得る差異を有するものである。
また、両者は、特定の意味合いを有しない造語であるから、観念上も比較することができない。
してみれば、称呼、観念及び外観を総合して全体的に考察した場合、たとえ称呼において近似するとしても、観念においては比較することができないものであり、かつ、外観においては顕著な差異を有することから、両商標を同一又は類似の役務に使用しても、その出所について誤認混同を生ずるおそれはないものというのが相当であり、本願商標は、引用商標に類似する商標とは認められない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に、本願について拒絶の理由を発見しない。
引用商標
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商標出願での早期審査の請求(日本) [商標実務(TM practices in JP)]
以下の(1)、または(2)に該当する商標登録出願について、「早期審査の申出」をすることができる。
(1)「出願人自身又はライセンシーが、
出願商標を指定商品・役務に使用しているか又は使用の準備を相当程度進めており、かつ、
権利化について緊急性を要する出願であること」
(2)「出願人又はライセンシーが、
出願商標を既に使用している商品・役務又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務「のみ」を指定している出願であること」
【メモ】
上記(1)について、
・「権利化について緊急性を要する出願」とは、以下のいずれかに該当するものをいう。
a) 第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人若しくはライセンシーの使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用しているか又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
b) 出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
c) 出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合
d) 出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合
上記(1)、(2)について、
・(商標の使用の事実を示す書類)
出願人又はライセンシーが商標を商品(役務)について使用していることを示す客観的な資料として、例えば、以下のような資料を提出する。
ア.商標が付された商品を撮影した写真
イ.商標が付された商品が掲載されたパンフレット又はカタログ
ウ.商標が付された商品が掲載された広告
エ.商標が付された役務の提供の用に供する物を撮影した写真
オ.商標が掲載された役務に関するパンフレット又はカタログ
カ.商標が掲載された役務に関する広告
・ 商標の使用の準備をしている場合には、出願人又はライセンシーが商標を使用する準備を相当程度進めていることを具体的に説明する。例えば、使用開始予定時期(少なくとも、早期審査の申出から3月以内の使用であること)、予定している使用商品(役務)や使用場所等を記載するとともに、商標の使用の準備が相当程度進んでいることを示すものとして、例えば、以下のような資料を提出する。
ア.商標が付された商品が掲載されたパンフレット、カタログ等の印刷についてその受発注を示す資料
イ.商標が付された商品が掲載された広告についてその受発注を示す資料
ウ.商標が付された商品の販売に関するプレス発表や新聞記事等の資料
エ.商標が付された役務の提供の用に供する物の受発注を示す資料
オ.商標が掲載された役務に関するパンフレット、カタログ等の印刷についてその受発注を示す資料
カ.商標が掲載された役務に関する広告についてその受発注を示す資料
キ.商標が掲載された役務の提供に関するプレス発表や新聞記事等の資料
※出願商標と使用商標の同一性については、両者が社会通念上、外観において同視できる態様(例えば、明朝体とゴシック体の相違、縦書きと横書きの相違)であれば認められる。
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(1)「出願人自身又はライセンシーが、
出願商標を指定商品・役務に使用しているか又は使用の準備を相当程度進めており、かつ、
権利化について緊急性を要する出願であること」
(2)「出願人又はライセンシーが、
出願商標を既に使用している商品・役務又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務「のみ」を指定している出願であること」
【メモ】
上記(1)について、
・「権利化について緊急性を要する出願」とは、以下のいずれかに該当するものをいう。
a) 第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人若しくはライセンシーの使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用しているか又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
b) 出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
c) 出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合
d) 出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合
上記(1)、(2)について、
・(商標の使用の事実を示す書類)
出願人又はライセンシーが商標を商品(役務)について使用していることを示す客観的な資料として、例えば、以下のような資料を提出する。
ア.商標が付された商品を撮影した写真
イ.商標が付された商品が掲載されたパンフレット又はカタログ
ウ.商標が付された商品が掲載された広告
エ.商標が付された役務の提供の用に供する物を撮影した写真
オ.商標が掲載された役務に関するパンフレット又はカタログ
カ.商標が掲載された役務に関する広告
・ 商標の使用の準備をしている場合には、出願人又はライセンシーが商標を使用する準備を相当程度進めていることを具体的に説明する。例えば、使用開始予定時期(少なくとも、早期審査の申出から3月以内の使用であること)、予定している使用商品(役務)や使用場所等を記載するとともに、商標の使用の準備が相当程度進んでいることを示すものとして、例えば、以下のような資料を提出する。
ア.商標が付された商品が掲載されたパンフレット、カタログ等の印刷についてその受発注を示す資料
イ.商標が付された商品が掲載された広告についてその受発注を示す資料
ウ.商標が付された商品の販売に関するプレス発表や新聞記事等の資料
エ.商標が付された役務の提供の用に供する物の受発注を示す資料
オ.商標が掲載された役務に関するパンフレット、カタログ等の印刷についてその受発注を示す資料
カ.商標が掲載された役務に関する広告についてその受発注を示す資料
キ.商標が掲載された役務の提供に関するプレス発表や新聞記事等の資料
※出願商標と使用商標の同一性については、両者が社会通念上、外観において同視できる態様(例えば、明朝体とゴシック体の相違、縦書きと横書きの相違)であれば認められる。
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商品の産地など(登録されない商標)メモ(2) [商標実務(TM practices in JP)]
商標法
第3条 自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。
・・・・・
3.その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む。)、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標
・・・・・
(審査基準続き)
6.指定商品の形状(指定商品の包装の形状を含む。)又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識されるにすぎない商標は、本号の規定に該当するものとする。
7.
(1) 書籍の題号については、題号がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、品質を表示するものとする。
(2) 新聞、雑誌等の定期刊行物の題号は、原則として、自他商品の識別力があるものとする。
8.映像が記録された「フィルム」については、題名がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、品質を表示するものとする。「録音済みの磁気テープ」、「録音済みのコンパクトディスク」、「レコード」等についても同様とする。
9.「放送番組名」については、指定役務(放送番組の制作、テレビジョン放送等)との関係において、番組名がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、役務の質を表示するものとする(連続の放送番組名を含む。)。
10.指定役務(映写フィルムの貸与、録画済み磁気テープの貸与、録音済み磁気テープの貸与、録音済みコンパクトディスクの貸与、レコードの貸与等)との関係において、その役務の提供を受ける者の利用に供する物(映写フィルム、録画済みの磁気テープ、録音済みの磁気テープ、録音済みのコンパクトディスク、レコード等)の題名がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、役務の質を表示するものとする。
11.「飲食物の提供」に係る役務との関係において、外国の国家名、地理的名称等が特定の料理(フランス料理、イタリア料理、北京料理等)を表示するものと認められるときは、その役務の質を表示するものとする。
12.建築、不動産業等の建築物を取り扱う役務を指定役務とする立体商標であって、それが当該建築物の形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるときは、役務の提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示するものとして、本号の規定を適用することとする。
(注)「使用」の定義の解釈規定である商標法第2条第4項においては、その形状を標章の形状とし得る物を規定しているが、立体商標に関しては、本号及び第6号の基準に加え、商標法においては商品には建築物等の不動産が含まれないことを勘案するならば、結果として、建築物の形状について商標登録を受けることができる場合は、その指定商品又は指定役務に関する広告として機能する場合に実質上限られることとなる。
13.小売等役務に該当する役務において、商標がその取扱商品を表示する標章と認められるときは、その役務の「提供の用に供する物」を表示するものとする。
14.本号における「普通に用いられる方法で表示する標章」については、基準第1三、第3条第1項第1号の3.を準用する。
【メモ】
・商品区分第16類:印刷物(「書籍」、「新聞」ほか)(26A01)
・第9類:「レコード」、「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル」ほか(24E01)
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第3条 自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。
・・・・・
3.その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む。)、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標
・・・・・
(審査基準続き)
6.指定商品の形状(指定商品の包装の形状を含む。)又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識されるにすぎない商標は、本号の規定に該当するものとする。
7.
(1) 書籍の題号については、題号がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、品質を表示するものとする。
(2) 新聞、雑誌等の定期刊行物の題号は、原則として、自他商品の識別力があるものとする。
8.映像が記録された「フィルム」については、題名がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、品質を表示するものとする。「録音済みの磁気テープ」、「録音済みのコンパクトディスク」、「レコード」等についても同様とする。
9.「放送番組名」については、指定役務(放送番組の制作、テレビジョン放送等)との関係において、番組名がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、役務の質を表示するものとする(連続の放送番組名を含む。)。
10.指定役務(映写フィルムの貸与、録画済み磁気テープの貸与、録音済み磁気テープの貸与、録音済みコンパクトディスクの貸与、レコードの貸与等)との関係において、その役務の提供を受ける者の利用に供する物(映写フィルム、録画済みの磁気テープ、録音済みの磁気テープ、録音済みのコンパクトディスク、レコード等)の題名がただちに特定の内容を表示するものと認められるときは、役務の質を表示するものとする。
11.「飲食物の提供」に係る役務との関係において、外国の国家名、地理的名称等が特定の料理(フランス料理、イタリア料理、北京料理等)を表示するものと認められるときは、その役務の質を表示するものとする。
12.建築、不動産業等の建築物を取り扱う役務を指定役務とする立体商標であって、それが当該建築物の形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるときは、役務の提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示するものとして、本号の規定を適用することとする。
(注)「使用」の定義の解釈規定である商標法第2条第4項においては、その形状を標章の形状とし得る物を規定しているが、立体商標に関しては、本号及び第6号の基準に加え、商標法においては商品には建築物等の不動産が含まれないことを勘案するならば、結果として、建築物の形状について商標登録を受けることができる場合は、その指定商品又は指定役務に関する広告として機能する場合に実質上限られることとなる。
13.小売等役務に該当する役務において、商標がその取扱商品を表示する標章と認められるときは、その役務の「提供の用に供する物」を表示するものとする。
14.本号における「普通に用いられる方法で表示する標章」については、基準第1三、第3条第1項第1号の3.を準用する。
【メモ】
・商品区分第16類:印刷物(「書籍」、「新聞」ほか)(26A01)
・第9類:「レコード」、「インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル」ほか(24E01)
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