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(商品形態模倣行為)差止め、損害賠償請求をできる者 [不正競争防止法関連]

平成13年(ワ)第26431号 商品形態模倣行為差止等請求事件
(口頭弁論終結の日 平成15年11月6日)

「不正競争防止法2条1項3号がいわゆる形態模倣行為を不正競争行為として規定した趣旨は,他に選択肢があるにもかかわらず,他人が資金や労力を投下して開発・商品化した商品の形態をことさらに模倣し,これを自らの商品として市場に置くことは,先行者の開発成果にいわばただ乗りする行為であって,競争上不公正と評価されるべきものであるばかりか,このような行為を許容すると,新商品の開発に対する社会的意欲を減殺しかねないことから,上記行為を規制することによって,先行者の開発利益を模倣者から保護することにあると解される。このような立法趣旨に照らせば,同号に基づく請求の主体となり得る者は,形態模倣の対象とされた商品を自ら開発・商品化して市場に置いた者に限られるというべきである。

・・・・・

そうすると,原告らはいずれも,本件において形態模倣の対象とされる商品である円筒状猫砂を自ら開発・商品化して市場に置いた者ということはできず,不正競争防止法2条1項3号の請求をなし得る者ということができない。」


椿特許事務所
弁理士TY

商品形態模倣行為関連 [不正競争防止法関連]

不正競争防止法

第2条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
・・・
3.他人の商品の形態(当該商品の機能を確保するために不可欠な形態を除く。)を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為
・・・

4 この法律において「商品の形態」とは、需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様、色彩、光沢及び質感をいう。(注:平17に追加)

5 この法律において「模倣する」とは、他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいう。

(適用除外等)
第19条 第3条から第15条まで、第21条(第2項第6号に係る部分を除く。)及び第22条の規定は、次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為については、適用しない。
・・・
5.第2条第1項第3号に掲げる不正競争 次のいずれかに掲げる行為
イ 日本国内において最初に販売された日から起算して3年を経過した商品について、その商品の形態を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為
ロ 他人の商品の形態を模倣した商品を譲り受けた者(その譲り受けた時にその商品が他人の商品の形態を模倣した商品であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がない者に限る。)がその商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為

【メモ】
(1)商品の形態を模倣した商品を譲渡などする行為が不正競争であることを規定する。
(2)「実質的に同一」の商品に限られ、「類似」の商品であれば、文言上は不正競争ではなくなる。この点、意匠権であれば類似範囲に権利が及ぶことと異なる。
(3)また、(a)日本国内において、(b)最初に販売された日から起算して3年を経過した商品に対する模倣であれば、差止請求権などの行使ができない。この点においても、意匠権の方が強力である(意匠であれば、設定登録の日から20年の保護を受けることができる)。

【雑談】
原告の登録商標「ELLE」の商標権侵害であるとして争われた、「ELLEGARDEN」事件(知財高裁平成20年3月19日(平成19年(ネ)第10057号)ほか)のELLEGARDEN、9月上旬に活動を休止することを最近知りました。人気があるから、売れているからという現状に流されず、メンバーが各自の音楽の方向性を見つけて各自の道を歩む、というのはクールな生き方だと思います。(弁理士もそうかもしれない。自戒を込めて。)

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弁理士TY

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