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「除くクレーム」補正(訂正)の適否の判断基準 [国内法・国内判例など(JP:特許)]

平成18年(行ケ)第10563号、審決取消請求事件(平成20年5月30日判決言渡)
(ソルダーレジスト「除くクレーム」事件)

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ところで,平成6年法律第116号附則8条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前(以下「平成6年改正前」という。)の特許法29条の2は,特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願であって当該特許出願後に出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明(以下「先願発明」という。)と同一であるときは,その発明については特許を受けることができない旨定めているところ,同法同条に該当することを理由として,平成5年法律第26号附則2条4項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法123条1項1号に基づいて特許が無効とされることを回避するために,無効審判の被請求人が,特許請求の範囲の記載について,「ただし,…を除く。」などの消極的表現(いわゆる「除くクレーム」)によって特許出願に係る発明のうち先願発明と同一である部分を除外する訂正を請求する場合がある。

このような場合,特許権者は,特許出願時において先願発明の存在を認識していないから,当該特許出願に係る明細書又は図面には先願発明についての具体的な記載が存在しないのが通常であるが,明細書又は図面に具体的に記載されていない事項を訂正事項とする訂正についても,平成6年改正前の特許法134条2項ただし書が適用されることに変わりはなく,このような訂正も,明細書又は図面の記載によって開示された技術的事項に対し,新たな技術的事項を導入しないものであると認められる限り,「明細書又は図面に記載した事項の範囲内において」する訂正であるというべきである。

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椿特許事務所
弁理士TY
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